【要注意】セアカゴケグモではない! 危険なドクグモ、カバキコマチグモの見分け方と対策
近年、日本国内でもカバキコマチグモの目撃例が増加しており、その毒性から注意が必要です。セアカゴケグモと間違われることもありますが、両者には明確な違いがあります。この記事では、カバキコマチグモを正確に見分け、適切な対策を講じるための情報を詳しく解説します。
## カバキコマチグモとは?
カバキコマチグモ(学名:*Steatoda grossa*)は、ヒメグモ科に属するクモの一種です。原産地はヨーロッパと考えられていますが、現在では世界中に分布を広げています。日本では、都市部を中心に生息域を拡大しており、家屋や庭などで見かける機会が増えています。
### カバキコマチグモの毒性
カバキコマチグモは毒を持っていますが、その毒性はセアカゴケグモほど強くはありません。しかし、咬まれると局所的な痛み、腫れ、発赤が生じることがあります。まれに、吐き気、頭痛、倦怠感などの全身症状が現れることもあります。
特に、小さなお子様や高齢者、アレルギー体質の方は、症状が重くなる可能性があるため、注意が必要です。
### セアカゴケグモとの違い
カバキコマチグモは、その見た目からセアカゴケグモと混同されることがあります。しかし、両者にはいくつかの明確な違いがあります。
| 特徴 | カバキコマチグモ | セアカゴケグモ |
| ————- | ———————————————————————————————————— | ————————————————————————————————————– |
| 体色 | 全体的に黒褐色~濃い紫色。腹部には白っぽい斑点や模様があることが多い。 | 全体的に黒色。腹部には赤色の砂時計型の模様がある。 |
| 大きさ | 成体で体長約6~10mm | 成体で体長約7~10mm |
| 生息場所 | 家屋の隙間、物陰、庭の石の下など。比較的湿気の多い場所を好む。 | 日当たりの良い場所。側溝、植木鉢の下、エアコンの室外機周辺など。 |
| 巣の形状 | 不規則でふわふわした形状。セアカゴケグモの巣に比べて密度が低い。 | 不規則で網状。糸に粘着性があり、小昆虫などを捕らえる。 |
| 攻撃性 | 基本的に臆病で、刺激を与えない限り攻撃してくることは少ない。 | 刺激を与えると攻撃してくることがある。 |
## カバキコマチグモの見分け方:詳細なステップ
カバキコマチグモを正確に見分けるためには、以下のステップに従って観察することが重要です。
**ステップ1:体色と模様を観察する**
カバキコマチグモの体色は、全体的に黒褐色~濃い紫色をしています。腹部には、白っぽい斑点や模様が入っていることが多いのが特徴です。セアカゴケグモのような、鮮やかな赤色の模様はありません。
**ステップ2:大きさを確認する**
カバキコマチグモの成体の体長は、約6~10mm程度です。セアカゴケグモとほぼ同じくらいの大きさですが、体色や模様と合わせて判断することが重要です。
**ステップ3:生息場所をチェックする**
カバキコマチグモは、家屋の隙間、物陰、庭の石の下など、比較的湿気の多い場所を好んで生息します。セアカゴケグモのように、日当たりの良い場所で見かけることは少ないです。
**ステップ4:巣の形状を観察する**
カバキコマチグモの巣は、不規則でふわふわした形状をしています。セアカゴケグモの巣に比べて密度が低く、糸に粘着性はありません。
**ステップ5:行動を観察する**
カバキコマチグモは基本的に臆病で、刺激を与えない限り攻撃してくることは少ないです。セアカゴケグモのように、積極的に攻撃してくることはありません。
### 見分け方のポイント:写真による比較
文章だけではイメージしにくい場合、写真による比較が有効です。インターネットで「カバキコマチグモ」と「セアカゴケグモ」の画像を検索し、それぞれの特徴を比較してみましょう。特に、体色、模様、巣の形状に注目すると、見分けやすくなります。
## カバキコマチグモに咬まれた場合の対処法
万が一、カバキコマチグモに咬まれた場合は、以下の手順で対処してください。
1. **咬まれた部位を清潔にする:** 石鹸と水でよく洗い、消毒液で消毒します。
2. **冷やす:** 氷嚢や冷たいタオルで咬まれた部位を冷やすと、痛みや腫れを和らげることができます。
3. **安静にする:** できるだけ安静にし、激しい運動は避けてください。
4. **医療機関を受診する:** 症状が重い場合や、吐き気、頭痛、倦怠感などの全身症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
受診の際は、カバキコマチグモに咬まれたこと、および咬まれた日時、場所、症状などを医師に伝えるようにしましょう。可能であれば、咬んだクモの種類を特定できる写真や標本を持参すると、診断の助けになります。
## カバキコマチグモの駆除・予防対策
カバキコマチグモの発生を抑制するためには、以下の駆除・予防対策を講じることが有効です。
### 駆除方法
* **殺虫剤の使用:** 市販のピレスロイド系の殺虫剤を、カバキコマチグモが生息していそうな場所に散布します。直接噴霧するだけでなく、巣の周辺や隙間などにも念入りに散布することが重要です。
* **物理的な駆除:** カバキコマチグモを見つけた場合は、直接叩き潰すか、掃除機で吸い取って駆除します。ただし、素手で触ると咬まれる危険性があるため、必ず手袋を着用してください。
### 予防対策
* **家屋の清掃:** 定期的に家屋を清掃し、クモの巣を取り除くことで、カバキコマチグモの生息場所をなくします。特に、隙間や物陰など、クモが隠れやすい場所は念入りに清掃しましょう。
* **隙間の封鎖:** 壁のひび割れや、ドア、窓の隙間などを塞ぐことで、カバキコマチグモの侵入を防ぎます。市販の隙間テープや充填剤などを利用すると効果的です。
* **除湿対策:** カバキコマチグモは湿気の多い場所を好むため、除湿機や換気扇などを利用して、家屋内の湿度を下げるように心がけましょう。
* **庭の手入れ:** 庭の雑草を取り除き、石や木材などを整理することで、カバキコマチグモの生息場所を減らすことができます。特に、落ち葉や腐葉土などは、クモの隠れ場所になりやすいため、こまめに取り除くようにしましょう。
* **防虫剤の使用:** ハーブ系の防虫剤や、クモが嫌う成分を含む忌避剤などを設置することで、カバキコマチグモの侵入を防ぐことができます。玄関や窓際、庭など、クモが侵入しやすい場所に設置すると効果的です。
## その他の注意点
* **過剰な心配は不要:** カバキコマチグモは毒を持っていますが、その毒性はセアカゴケグモほど強くはありません。過剰に心配する必要はありませんが、注意は怠らないようにしましょう。
* **専門家への相談:** カバキコマチグモの大量発生や、駆除が困難な場合は、専門の害虫駆除業者に相談することをおすすめします。専門業者は、適切な知識と技術を持っており、効果的な駆除方法を提案してくれます。
* **情報収集:** カバキコマチグモに関する情報は、日々更新されています。インターネットや書籍などを活用して、最新の情報を収集するように心がけましょう。
## まとめ
カバキコマチグモは、セアカゴケグモと間違われやすいクモですが、体色や模様、生息場所、巣の形状など、いくつかの明確な違いがあります。この記事で紹介した見分け方を参考に、カバキコマチグモを正確に識別し、適切な対策を講じるようにしましょう。万が一、咬まれた場合は、適切な応急処置を行い、必要に応じて医療機関を受診してください。
日頃から家屋の清掃や隙間の封鎖、除湿対策などを徹底することで、カバキコマチグモの発生を抑制し、快適な生活環境を維持することができます。