【解決！】CPU温度異常エラーの原因と対策：初心者でも簡単
パソコンを使っていると、突然「CPU Over Temperature Error」というエラーメッセージが表示され、焦った経験はありませんか？ このエラーは、CPUの温度が異常に高くなっていることを知らせるもので、放置するとパソコンの故障につながる可能性があります。しかし、慌てる必要はありません。このエラーは、適切な対策を講じることで解決できる場合がほとんどです。
この記事では、CPU温度異常エラーの原因を詳しく解説し、初心者の方でも簡単にできる具体的な対策を紹介します。また、エラーを未然に防ぐための予防策についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
CPU温度異常エラーとは？
CPU（Central Processing Unit）は、パソコンの頭脳とも呼ばれる重要な部品です。パソコンで行われる様々な処理を高速で行うため、動作時には熱を発生します。CPUクーラーは、この熱を効率的に冷却し、CPUの温度を適切な範囲に保つ役割を果たしています。
しかし、CPUクーラーの性能低下や故障、あるいはCPUへの負荷が高すぎるなどの原因により、CPUの温度が許容範囲を超えて上昇することがあります。この状態が続くと、CPUの動作が不安定になり、最悪の場合、故障してしまう可能性があります。
「CPU Over Temperature Error」は、BIOS（Basic Input/Output System）またはUEFI（Unified Extensible Firmware Interface）と呼ばれる、パソコンの基本的な制御を行うプログラムが、CPUの温度を監視し、異常な高温を検知した場合に表示される警告メッセージです。このエラーが表示された場合は、直ちにパソコンの使用を中止し、原因を特定して対策を講じる必要があります。
CPU温度異常エラーの原因
CPU温度異常エラーが発生する原因は様々ですが、主なものとしては以下の点が挙げられます。
- CPUクーラーの故障・性能低下: CPUクーラーは、CPUから発生する熱を効率的に冷却するための重要な部品です。ファンが故障して回転しなくなったり、ヒートシンクにホコリが詰まったりすると、冷却性能が低下し、CPUの温度が上昇します。
- CPUグリスの劣化: CPUとCPUクーラーの間には、熱伝導を良くするためのCPUグリスが塗られています。このグリスが劣化すると、熱伝導効率が低下し、CPUの温度が上昇します。
- ケース内のエアフロー不良: パソコンケース内のエアフローが悪いと、熱がこもりやすくなり、CPUの温度が上昇します。ケースファンが不足していたり、ケーブルがエアフローを妨げていたりすることが原因として考えられます。
- CPUへの過剰な負荷: 高負荷なゲームや動画編集ソフトなどを長時間使用すると、CPUへの負荷が高まり、発熱量が増加します。その結果、CPUの温度が上昇し、エラーが発生する可能性があります。
- オーバークロック: CPUの動作クロックを定格よりも高く設定するオーバークロックを行うと、CPUの発熱量が増加し、温度が上昇しやすくなります。
- BIOS/UEFIの設定: BIOS/UEFIの設定で、CPUの電圧が高く設定されている場合、CPUの発熱量が増加し、温度が上昇する可能性があります。
- 環境温度: 周囲の温度が高い場合、CPUクーラーの冷却効率が低下し、CPUの温度が上昇しやすくなります。特に夏場は注意が必要です。
- ソフトウェアの不具合: まれに、ソフトウェアの不具合によってCPUに過剰な負荷がかかり、温度が上昇する場合があります。
- マザーボードの故障: マザーボードの一部の部品が故障している場合、CPUの電圧が不安定になり、発熱量が増加する可能性があります。
CPU温度異常エラーの対策：自分でできること
CPU温度異常エラーが発生した場合、まずは自分でできる対策を試してみましょう。以下の手順に従って、一つずつ確認してみてください。
1. パソコンの電源を切り、冷却する
エラーが発生したら、まずはパソコンの電源を切り、CPUを冷却しましょう。数時間放置することで、CPUの温度が自然に下がります。冷却後、再度電源を入れて様子を見てください。一時的なエラーであれば、これで解決する場合があります。
2. CPUクーラーの清掃
CPUクーラーにホコリが詰まっていると、冷却性能が著しく低下します。エアダスターなどを使用して、CPUクーラーのホコリを丁寧に除去しましょう。パソコンの電源を切った状態で、静電気防止手袋を着用して作業を行うことを推奨します。
- パソコンの電源を完全に切り、コンセントから電源ケーブルを抜きます。
- パソコンケースを開けます。ケースの開け方は、パソコンの取扱説明書を確認してください。
- CPUクーラーのファンやヒートシンクに付着したホコリを、エアダスターで吹き飛ばします。細かい部分のホコリは、綿棒などを使って丁寧に除去しましょう。
- 必要に応じて、CPUクーラーを取り外し、ヒートシンクの裏側やファンの奥に溜まったホコリも除去します。
- CPUクーラーを元の状態に戻し、パソコンケースを閉じます。
3. ケース内のエアフロー改善
パソコンケース内のエアフローが悪いと、熱がこもりやすくなります。ケースファンを追加したり、ケーブルを整理したりして、エアフローを改善しましょう。
- ケースファンが不足している場合は、追加で設置します。吸気ファンと排気ファンをバランス良く配置することが重要です。
- ケース内のケーブルがエアフローを妨げている場合は、ケーブルタイなどを使って整理します。
- パソコンの設置場所にも注意しましょう。壁際にぴったりとくっつけて設置すると、エアフローが悪くなる可能性があります。
4. CPUグリスの塗り直し
CPUグリスが劣化していると、熱伝導効率が低下し、CPUの温度が上昇します。CPUグリスを塗り直すことで、冷却性能が向上する可能性があります。
注意: CPUグリスの塗り直しは、精密な作業が必要です。自信がない場合は、専門業者に依頼することを推奨します。
- パソコンの電源を完全に切り、コンセントから電源ケーブルを抜きます。
- パソコンケースを開けます。
- CPUクーラーを取り外します。
- CPUとCPUクーラーに付着した古いグリスを、クリーナーや無水エタノールを使って丁寧に拭き取ります。
- 新しいCPUグリスを、CPUの中央に米粒程度の量を塗布します。
- CPUクーラーを元の状態に戻します。
- パソコンケースを閉じます。
5. BIOS/UEFIの設定確認
BIOS/UEFIの設定で、CPUの電圧が高く設定されている場合、CPUの発熱量が増加します。BIOS/UEFIの設定を確認し、電圧を調整してみましょう。
注意: BIOS/UEFIの設定変更は、誤った設定を行うとパソコンが起動しなくなる可能性があります。設定を変更する際は、必ず取扱説明書をよく読み、慎重に行ってください。
- パソコンを起動し、BIOS/UEFIの設定画面に入ります。起動時に表示されるキー（Delキー、F2キー、F12キーなど）は、パソコンによって異なります。
- BIOS/UEFIの設定画面で、CPUの電圧に関する項目を探します。
- 電圧が定格よりも高く設定されている場合は、定格値に戻します。
- 設定を保存し、BIOS/UEFIを終了します。
6. ソフトウェアの確認
特定のソフトウェアがCPUに過剰な負荷をかけている可能性があるため、タスクマネージャーでCPUの使用率を確認しましょう。異常に高い使用率を示しているソフトウェアがあれば、アンインストールするか、設定を見直してみてください。
- Windowsの場合、Ctrl + Shift + Escキーを同時に押すと、タスクマネージャーが起動します。
- タスクマネージャーの「プロセス」タブで、CPUの使用率が高いプロセスを確認します。
- 異常に高い使用率を示しているソフトウェアがあれば、右クリックして「タスクの終了」を選択するか、アンインストールします。
7. 周囲温度の確認
パソコンの周囲温度が高いと、CPUの冷却効率が低下します。特に夏場は、エアコンなどで室温を下げたり、パソコンの設置場所を風通しの良い場所に移動したりするなどの対策を行いましょう。
8. オーバークロックの見直し
オーバークロックを行っている場合は、設定をデフォルトに戻すか、より低いクロック数に設定し直すことで、CPUの発熱量を抑えることができます。
CPU温度の監視方法
CPU温度異常エラーが発生する前に、CPUの温度を定期的に監視することで、トラブルを未然に防ぐことができます。CPU温度を監視する方法としては、以下のものがあります。
- BIOS/UEFI: BIOS/UEFIの設定画面で、CPUの温度を確認することができます。
- モニタリングソフト: CPU温度を監視するための専用のソフトウェアを使用します。代表的なソフトウェアとしては、HWMonitor、Core Tempなどがあります。
- タスクマネージャー: Windowsのタスクマネージャーでも、CPUの使用率や温度をある程度確認することができます。
これらの方法を使って、定期的にCPUの温度を監視し、異常な高温を検知した場合は、早めに対策を講じるようにしましょう。
専門業者への依頼
上記の方法を試してもCPU温度異常エラーが解決しない場合や、自分で作業を行う自信がない場合は、専門業者に依頼することを検討しましょう。専門業者であれば、原因を特定し、適切な対策を講じてくれます。
パソコン修理業者や、パソコン専門店などに相談してみると良いでしょう。
CPU温度異常エラーの予防策
CPU温度異常エラーを未然に防ぐためには、日頃から以下の点に注意することが重要です。
- 定期的な清掃: CPUクーラーやパソコンケース内部のホコリを定期的に清掃しましょう。
- エアフローの確保: パソコンケース内のエアフローを常に良好な状態に保ちましょう。
- CPUグリスの定期的な交換: CPUグリスは、定期的に交換することで、熱伝導効率を維持することができます。
- CPUへの負荷軽減: CPUに過剰な負荷がかからないように、使用するソフトウェアや設定を見直しましょう。
- 周囲温度への配慮: パソコンの周囲温度が高くならないように、設置場所に注意しましょう。
まとめ
CPU温度異常エラーは、放置するとパソコンの故障につながる可能性がありますが、適切な対策を講じることで解決できる場合がほとんどです。この記事で紹介した方法を参考に、CPU温度異常エラーの原因を特定し、適切な対策を講じてください。また、日頃から予防策を講じることで、CPU温度異常エラーを未然に防ぐことができます。
もし自分で解決できない場合は、専門業者に依頼することを検討しましょう。