Macのデフォルトメディアプレイヤーを変更する方法:簡単ステップガイド
Macで動画や音楽を再生する際、特定のメディアプレイヤーを常に使用したいと思ったことはありませんか? macOSにはデフォルトのメディアプレイヤーが設定されていますが、好みに合わせてこれを変更することができます。この記事では、Macのデフォルトメディアプレイヤーを変更する手順をわかりやすく解説します。お気に入りのメディアプレイヤーをデフォルトに設定して、快適な視聴環境を実現しましょう。
## なぜデフォルトメディアプレイヤーを変更するのか?
macOSには標準でQuickTime Playerが付属していますが、以下のような理由で別のメディアプレイヤーをデフォルトにしたい場合があります。
* **対応フォーマットの拡張:** QuickTime Playerは、特定のフォーマット(例えば、古いコーデックや新しいコーデック)に対応していない場合があります。VLC Media PlayerやIINAなどの代替プレイヤーは、より多くのフォーマットをサポートしており、幅広い種類の動画や音楽ファイルを再生できます。
* **高度な機能:** QuickTime Playerは基本的な再生機能に重点を置いていますが、他のメディアプレイヤーは、字幕のカスタマイズ、イコライザー、プレイリスト管理など、より高度な機能を提供します。
* **ユーザーインターフェースの好み:** QuickTime Playerのインターフェースが好みでない場合、より直感的で使いやすいインターフェースを持つメディアプレイヤーを選択することができます。
* **パフォーマンスの向上:** QuickTime Playerよりも、特定のメディアプレイヤーの方が、お使いのMacでよりスムーズに動作する場合があります。特に、高解像度の動画を再生する場合、パフォーマンスの違いが顕著になることがあります。
* **特定のメディアプレイヤーとの連携:** 特定のメディアプレイヤーを頻繁に使用する場合、それをデフォルトに設定することで、ファイルをダブルクリックするだけで簡単に再生できるようになります。
## デフォルトメディアプレイヤーを変更する前の準備
デフォルトメディアプレイヤーを変更する前に、以下の準備をしておきましょう。
1. **代替メディアプレイヤーのインストール:** まず、QuickTime Playerの代わりにデフォルトとして使用したいメディアプレイヤーをダウンロードしてインストールします。VLC Media Player、IINA、MPVなど、さまざまなメディアプレイヤーがあります。それぞれの特徴を比較検討し、ご自身のニーズに合ったものを選びましょう。
* **VLC Media Player:** 非常に多くのフォーマットをサポートし、クロスプラットフォームで動作する、非常に人気のあるオープンソースのメディアプレイヤーです。初心者にも使いやすく、高度な設定も可能です。
* **IINA:** macOSに特化したモダンなデザインのメディアプレイヤーです。MPVをベースにしており、高性能で、多くのカスタマイズオプションを提供します。Retinaディスプレイへの最適化やTouch Barのサポートなど、macOSの機能を最大限に活用しています。
* **MPV:** コマンドラインから操作できる、非常に強力なメディアプレイヤーです。高度なユーザーや開発者向けですが、GUIフロントエンドも利用可能です。非常に柔軟で、多くのカスタマイズオプションを提供します。
2. **メディアプレイヤーの動作確認:** インストールしたメディアプレイヤーを起動し、正常に動作することを確認します。いくつかの動画や音楽ファイルを再生してみて、問題がないか確認しましょう。必要に応じて、設定を調整して、最適なパフォーマンスが得られるようにします。
3. **ファイル形式の確認:** デフォルトで開きたいファイル形式(例えば、.mp4、.avi、.mov、.mp3など)を確認します。これらのファイル形式を、新しいメディアプレイヤーに関連付ける必要があります。
## Macでデフォルトメディアプレイヤーを変更する手順
Macでデフォルトメディアプレイヤーを変更する方法はいくつかあります。ここでは、最も一般的な2つの方法を紹介します。
### 方法1: Finderを使用する
1. **ファイルを選択:** Finderで、デフォルトで新しいメディアプレイヤーで開きたいファイル形式のファイルを1つ選択します(例えば、.mp4ファイル)。
2. **情報を見る:** ファイルを右クリック(またはControlキーを押しながらクリック)し、コンテキストメニューから「情報を見る」を選択します。
3. **「このアプリケーションで開く」セクションを展開:** 情報ウィンドウが表示されたら、「このアプリケーションで開く」というセクションを探します。このセクションが閉じている場合は、三角形のアイコンをクリックして展開します。
4. **新しいメディアプレイヤーを選択:** ドロップダウンメニューをクリックして、インストールしたメディアプレイヤーを選択します。リストに目的のメディアプレイヤーが表示されない場合は、「その他…」を選択して、アプリケーションフォルダから選択します。
5. **「すべてを変更…」をクリック:** 新しいメディアプレイヤーを選択したら、「すべてを変更…」ボタンをクリックします。確認ダイアログが表示されるので、「続ける」をクリックします。これにより、選択したファイル形式のすべてのファイルが、新しいメディアプレイヤーで開かれるようになります。
### 方法2: Launch Servicesを使用する(ターミナル)
Finderを使用する方法がうまくいかない場合や、より詳細な設定を行いたい場合は、ターミナルを使用してLaunch Servicesデータベースを操作することができます。
**注意:** ターミナルの使用には注意が必要です。誤ったコマンドを実行すると、システムに問題が発生する可能性があります。以下の手順を慎重に実行してください。
1. **ターミナルを起動:** アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダにあるターミナルアプリケーションを起動します。
2. **コマンドを実行:** 以下のコマンドを実行して、特定のファイル形式に関連付けられているアプリケーションを確認します。
bash
lsregister -dump | grep “\.ファイル拡張子”
例えば、.mp4ファイルの場合、以下のようになります。
bash
lsregister -dump | grep “\.mp4”
このコマンドは、.mp4ファイルに関連付けられているアプリケーションの情報を表示します。表示される情報のCFBundleIdentifierを確認します。これは、アプリケーションの一意の識別子です。
3. **Launch Servicesデータベースをリセット:** 以下のコマンドを実行して、Launch Servicesデータベースをリセットします。
bash
/System/Library/Frameworks/CoreServices.framework/Frameworks/LaunchServices.framework/Support/lsregister -kill -r -domain local -domain system -domain user
このコマンドは、Launch Servicesデータベースをリセットし、システムにアプリケーションの関連付けを再構築させます。コマンドの実行には、管理者権限が必要な場合があります。その場合は、sudoコマンドを使用します。
bash
sudo /System/Library/Frameworks/CoreServices.framework/Frameworks/LaunchServices.framework/Support/lsregister -kill -r -domain local -domain system -domain user
パスワードの入力を求められた場合は、管理者パスワードを入力します。
4. **Macを再起動:** Launch Servicesデータベースのリセット後、Macを再起動して、変更を有効にします。
5. **ファイルを開いて確認:** 再起動後、.mp4ファイルをダブルクリックして、新しいメディアプレイヤーで開かれることを確認します。
### 方法3: duti ユーティリティを使用する (brew install duti)
`duti` は、ターミナルからデフォルトのアプリケーションを簡単に設定できる便利なコマンドラインツールです。これを使用するには、まずHomebrewがインストールされている必要があります。
1. **Homebrew のインストール:** Homebrewがまだインストールされていない場合は、ターミナルを開き、次のコマンドを実行してインストールします。
bash
/bin/bash -c “$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)”
プロンプトに従ってインストールを進めます。
2. **duti のインストール:** Homebrewがインストールされたら、次のコマンドで `duti` をインストールします。
bash
brew install duti
3. **デフォルトアプリケーションの設定:** `duti` を使用して、特定のファイルタイプやプロトコルのデフォルトアプリケーションを設定できます。次のコマンドの構文を使用します。
bash
duti -s <バンドル識別子> <ファイル拡張子> all
duti -s <バンドル識別子>
* `<バンドル識別子>` は、設定するアプリケーションのバンドル識別子です。例えば、VLC Media Player のバンドル識別子は `org.videolan.vlc` です。バンドル識別子を見つけるには、アプリケーションを右クリックし、「パッケージの内容を表示」を選択し、`Contents` フォルダにある `Info.plist` ファイルを開きます。`CFBundleIdentifier` キーの値がバンドル識別子です。
* `<ファイル拡張子>` は、設定するファイル拡張子です。例えば、`.mp4` です。
* `
例:VLC Media Player をデフォルトの .mp4 プレイヤーに設定する場合:
bash
duti -s org.videolan.vlc .mp4 all
動画ファイル全般を IINA で開くように設定する場合:
bash
duti -s tv.iina.IINA public.movie all
4. **設定の確認:** 設定後、ファイルを開いてデフォルトアプリケーションが変更されていることを確認します。
`duti` は、Launch Services データベースを直接操作するため、再起動は不要です。設定がすぐに反映されます。
## ファイル形式ごとの設定
上記の手順でデフォルトメディアプレイヤーを変更しても、すべてのファイル形式が希望のプレイヤーで開かれるとは限りません。例えば、.mp4ファイルはVLCで開くように設定しても、.aviファイルはQuickTime Playerで開かれる場合があります。それぞれのファイル形式に対して、上記の手順を繰り返す必要があります。
1. **異なるファイル形式のファイルを選択:** Finderで、まだ希望のメディアプレイヤーで開かれていないファイル形式のファイルを1つ選択します(例えば、.aviファイル)。
2. **情報を見る:** ファイルを右クリック(またはControlキーを押しながらクリック)し、コンテキストメニューから「情報を見る」を選択します。
3. **「このアプリケーションで開く」セクションを展開:** 情報ウィンドウが表示されたら、「このアプリケーションで開く」というセクションを探します。このセクションが閉じている場合は、三角形のアイコンをクリックして展開します。
4. **新しいメディアプレイヤーを選択:** ドロップダウンメニューをクリックして、インストールしたメディアプレイヤーを選択します。リストに目的のメディアプレイヤーが表示されない場合は、「その他…」を選択して、アプリケーションフォルダから選択します。
5. **「すべてを変更…」をクリック:** 新しいメディアプレイヤーを選択したら、「すべてを変更…」ボタンをクリックします。確認ダイアログが表示されるので、「続ける」をクリックします。これにより、選択したファイル形式のすべてのファイルが、新しいメディアプレイヤーで開かれるようになります。
この手順を、デフォルトで希望のメディアプレイヤーで開きたいすべてのファイル形式に対して繰り返します。
## トラブルシューティング
デフォルトメディアプレイヤーの変更がうまくいかない場合は、以下の点を確認してみてください。
* **Launch Servicesデータベースの破損:** Launch Servicesデータベースが破損している場合、ファイルの関連付けが正しく機能しないことがあります。ターミナルを使用してLaunch Servicesデータベースをリセットしてみてください(上記の手順を参照)。
* **アプリケーションの競合:** 複数のメディアプレイヤーがインストールされている場合、ファイルの関連付けが競合する可能性があります。不要なメディアプレイヤーをアンインストールしてみてください。
* **アクセス権の問題:** ファイルまたはフォルダへのアクセス権がない場合、デフォルトメディアプレイヤーを変更できないことがあります。ファイルのアクセス権を確認し、必要に応じて変更してください。
* **macOSのバージョン:** 古いバージョンのmacOSを使用している場合、デフォルトメディアプレイヤーの変更方法が異なる場合があります。macOSを最新バージョンにアップデートしてみてください。
* **管理者権限:** デフォルトメディアプレイヤーの変更には、管理者権限が必要な場合があります。管理者アカウントでログインしていることを確認してください。
## まとめ
Macのデフォルトメディアプレイヤーを変更することで、動画や音楽の視聴体験を向上させることができます。Finderを使用する方法、ターミナルを使用する方法、そしてdutiユーティリティを使用する方法など、さまざまな方法があります。この記事で紹介した手順を参考に、お好みのメディアプレイヤーをデフォルトに設定して、快適な視聴環境を実現してください。もし問題が発生した場合は、トラブルシューティングのセクションを参考に、原因を特定して解決してください。
お気に入りのメディアプレイヤーをデフォルトに設定すれば、ファイルをダブルクリックするだけで簡単に再生できるようになり、日々の作業効率も向上するでしょう。ぜひこの記事を参考に、Macのメディアプレイヤー環境を最適化してください。