【染髪後の髪を柔らかくする方法】美容師が教えるダメージケア完全ガイド
染めたての髪色は気分を上げてくれますが、染髪後の髪のパサつきやゴワつきは悩みの種ですよね。せっかく綺麗に染めた髪を、できるだけ柔らかく、美しい状態に保ちたいと思うのは当然です。この記事では、現役美容師である私が、染髪後の髪を柔らかくするための徹底的なケア方法を、ステップごとに詳しく解説します。ダメージの原因から、具体的なヘアケア製品の選び方、自宅でできるスペシャルケアまで、あなたの髪質に合わせた最適な方法を見つけられるように、丁寧にガイドします。
## 染髪後の髪が硬くなる原因とは?
染髪後の髪が硬くなってしまうのには、いくつかの原因が考えられます。まずはその原因を理解し、対策を立てることが重要です。
* **薬剤によるダメージ:** 染毛剤に含まれるアルカリ剤や酸化剤は、髪のキューティクルを開き、内部のメラニン色素を分解して色を定着させます。この過程で、髪のタンパク質が流出し、キューティクルが剥がれやすくなるため、髪の内部構造がダメージを受け、硬さやパサつきの原因となります。
* **キューティクルの損傷:** キューティクルは、髪の表面を覆い、内部を守る役割を担っています。染髪によってキューティクルが損傷すると、髪の水分や油分が失われやすくなり、乾燥やゴワつきを引き起こします。また、キューティクルが剥がれることで、髪の表面がザラザラになり、指通りが悪くなります。
* **乾燥:** 染髪に使用する薬剤は、髪の水分を奪ってしまう性質があります。染髪後の髪は、通常よりも乾燥しやすくなっているため、適切な保湿ケアを行わないと、パサつきやゴワつきが悪化してしまいます。
* **アルカリ性の残留:** 染毛剤に含まれるアルカリ剤が髪に残留すると、キューティクルが開いたままになり、髪の水分や油分が失われやすくなります。また、アルカリ性の状態は、髪のタンパク質を変性させ、硬さやゴワつきの原因となります。
## 染髪後の髪を柔らかくするためのステップ別ケア方法
ここからは、染髪後の髪を柔らかくするための具体的なケア方法を、ステップごとにご紹介します。毎日のケアに取り入れることで、染めたての美しい髪を長く保つことができます。
### ステップ1:優しいシャンプーで洗い上げる
染髪後のシャンプーは、特に慎重に行う必要があります。洗浄力の強すぎるシャンプーは、髪に必要な油分まで洗い流してしまい、乾燥を悪化させる原因となります。アミノ酸系シャンプーなど、低刺激で保湿力の高いシャンプーを選びましょう。
**シャンプー選びのポイント:**
* **アミノ酸系シャンプーを選ぶ:** アミノ酸系シャンプーは、洗浄力が穏やかで、髪や頭皮に優しいのが特徴です。髪に必要な油分を残しながら、優しく洗い上げることができます。
* **シリコンフリーを選ぶ:** シリコンは、髪の表面をコーティングし、指通りを良くする効果がありますが、蓄積すると髪が重くなり、カラーの浸透を妨げる可能性もあります。ノンシリコンシャンプーを選ぶことで、髪本来の美しさを引き出すことができます。
* **保湿成分配合のものを選ぶ:** ヒアルロン酸、セラミド、コラーゲンなどの保湿成分が配合されたシャンプーは、髪の水分量を高め、乾燥を防ぐ効果があります。
**シャンプーの手順:**
1. **予洗い:** シャンプー前に、ぬるま湯で髪全体を十分に洗い流します。この予洗いで、髪の表面の汚れやホコリを落とすことができます。
2. **シャンプーを泡立てる:** シャンプーを手のひらに取り、少量のお湯を加えて泡立てます。泡立てネットを使用すると、よりきめ細かい泡を作ることができます。
3. **頭皮をマッサージするように洗う:** 泡立てたシャンプーを髪全体に馴染ませ、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗います。爪を立てると、頭皮を傷つけてしまう可能性があるので、注意しましょう。
4. **すすぎ残しがないように丁寧に洗い流す:** シャンプーが頭皮や髪に残らないように、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。特に、生え際や襟足はすすぎ残しが多いので、注意が必要です。
5. **タオルドライ:** シャンプー後、タオルで髪を優しく挟むようにして、水分を拭き取ります。ゴシゴシと擦ると、キューティクルを傷つけてしまうので、避けましょう。
### ステップ2:トリートメントで集中補修
シャンプー後のトリートメントは、髪の内部に栄養を補給し、ダメージを補修するために不可欠です。染髪後の髪は特にダメージを受けやすい状態なので、集中補修型のトリートメントを選びましょう。
**トリートメント選びのポイント:**
* **ダメージ補修成分配合のものを選ぶ:** ケラチン、コラーゲン、アミノ酸などのダメージ補修成分が配合されたトリートメントは、髪の内部に浸透し、傷んだ部分を補修する効果があります。
* **保湿成分配合のものを選ぶ:** ヒアルロン酸、セラミド、植物オイルなどの保湿成分が配合されたトリートメントは、髪の水分量を高め、乾燥を防ぐ効果があります。
* **髪質に合ったものを選ぶ:** 髪質によって、必要な栄養や油分は異なります。自分の髪質に合ったトリートメントを選ぶことで、より効果的なケアができます。
**トリートメントの手順:**
1. **水気を切る:** シャンプー後、軽く水気を切ります。水気が多いと、トリートメントの成分が薄まってしまうので、注意が必要です。
2. **トリートメントを毛先から馴染ませる:** トリートメントを手のひらに取り、毛先を中心に、髪全体に馴染ませます。傷みが気になる部分には、重ね付けしましょう。
3. **蒸しタオルで浸透を促す:** 蒸しタオルで髪を包み、5〜10分ほど置いて、トリートメントの浸透を促します。蒸しタオルがない場合は、ラップで髪を包んでもOKです。
4. **丁寧に洗い流す:** トリートメントが髪に残らないように、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。洗い残しがあると、ベタつきの原因になるので、注意が必要です。
### ステップ3:アウトバストリートメントで保護&保湿
ドライヤーで乾かす前に、アウトバストリートメントを使用することで、熱から髪を守り、乾燥を防ぐことができます。オイルタイプ、ミルクタイプ、ミストタイプなど、様々な種類があるので、自分の髪質や好みに合ったものを選びましょう。
**アウトバストリートメント選びのポイント:**
* **オイルタイプ:** 髪にツヤを与え、まとまりを良くする効果があります。乾燥が気になる方や、髪が広がりやすい方におすすめです。
* **ミルクタイプ:** 髪に潤いを与え、しっとりとした仕上がりにする効果があります。髪が細く、柔らかい方におすすめです。
* **ミストタイプ:** 髪全体に均一に馴染みやすく、軽やかな仕上がりになります。ベタつきが気になる方や、スタイリングの邪魔をしたくない方におすすめです。
* **UVカット効果のあるものを選ぶ:** 紫外線は、髪の乾燥やダメージの原因となります。UVカット効果のあるアウトバストリートメントを使用することで、紫外線から髪を守ることができます。
**アウトバストリートメントの手順:**
1. **タオルドライ後、適量を手に取る:** タオルドライ後、アウトバストリートメントを手のひらに適量取ります。髪の長さや量によって、量を調整しましょう。
2. **毛先を中心に馴染ませる:** 毛先を中心に、髪全体に馴染ませます。根元につけすぎると、ベタつきの原因になるので、注意が必要です。
3. **ドライヤーで乾かす:** アウトバストリートメントを馴染ませた後、ドライヤーで髪を乾かします。
### ステップ4:正しいドライヤーの使い方で熱ダメージを防ぐ
ドライヤーの熱は、髪のタンパク質を変性させ、乾燥やパサつきの原因となります。正しいドライヤーの使い方をマスターすることで、熱ダメージを最小限に抑え、柔らかく美しい髪を保つことができます。
**ドライヤーのポイント:**
* **ドライヤーの前にタオルドライをしっかり行う:** ドライヤーの時間を短縮するために、タオルドライでしっかりと水分を拭き取ります。ゴシゴシと擦らず、優しくタオルで挟むようにして、水分を吸い取るのがポイントです。
* **ドライヤーの温度は低温〜中温に設定する:** 高温の風は、髪のタンパク質を変性させ、ダメージを与える原因となります。低温〜中温の風で、優しく乾かすようにしましょう。
* **ドライヤーを髪から15cm以上離して使用する:** ドライヤーを髪に近づけすぎると、一点に熱が集中し、ダメージを受けやすくなります。15cm以上離して、ドライヤーを小刻みに動かしながら、全体的に乾かすようにしましょう。
* **根元から毛先に向かって乾かす:** キューティクルは、根元から毛先に向かって生えています。根元から毛先に向かって乾かすことで、キューティクルを整え、ツヤのある髪に仕上がります。
* **最後に冷風を当てる:** 最後に冷風を当てることで、キューティクルが引き締まり、髪の表面が滑らかになります。また、冷風には、髪の熱を冷まし、乾燥を防ぐ効果もあります。
### ステップ5:ヘアオイルで潤いを閉じ込める
ドライヤーで乾かした後、ヘアオイルを使用することで、髪の潤いを閉じ込め、乾燥を防ぐことができます。また、ヘアオイルには、髪にツヤを与え、まとまりを良くする効果もあります。
**ヘアオイル選びのポイント:**
* **植物オイル配合のものを選ぶ:** アルガンオイル、ホホバオイル、シアバターなどの植物オイルは、髪に潤いを与え、乾燥を防ぐ効果があります。また、植物オイルは、髪に優しく、刺激が少ないのが特徴です。
* **香りの良いものを選ぶ:** ヘアオイルは、髪につけるだけでなく、香りを楽しむこともできます。自分の好きな香りを選ぶことで、リラックス効果も期待できます。
* **紫外線カット効果のあるものを選ぶ:** 紫外線は、髪の乾燥やダメージの原因となります。UVカット効果のあるヘアオイルを使用することで、紫外線から髪を守ることができます。
**ヘアオイルの手順:**
1. **適量を手に取る:** ヘアオイルを手のひらに適量取ります。髪の長さや量によって、量を調整しましょう。
2. **毛先を中心に馴染ませる:** 毛先を中心に、髪全体に馴染ませます。根元につけすぎると、ベタつきの原因になるので、注意が必要です。
3. **手ぐしで髪全体に馴染ませる:** 手ぐしで髪全体にヘアオイルを馴染ませます。こうすることで、ヘアオイルが髪全体に均一に広がり、潤いとツヤを与えます。
## 週に一度のスペシャルケア:ヘアマスクで集中トリートメント
毎日のケアに加えて、週に一度、ヘアマスクを使ったスペシャルケアを行うことで、髪の内部に栄養をたっぷり補給し、より柔らかく、美しい髪を育てることができます。
**ヘアマスク選びのポイント:**
* **高濃度な補修成分配合のものを選ぶ:** ケラチン、コラーゲン、アミノ酸などの高濃度な補修成分が配合されたヘアマスクは、髪の内部に深く浸透し、傷んだ部分を徹底的に補修する効果があります。
* **保湿成分が豊富に配合されたものを選ぶ:** ヒアルロン酸、セラミド、植物オイルなどの保湿成分が豊富に配合されたヘアマスクは、髪の水分量を高め、乾燥を防ぎ、しっとりとしたまとまりのある髪に導きます。
* **自分の髪の悩みに特化したものを選ぶ:** ダメージヘア、乾燥ヘア、カラーリングヘアなど、自分の髪の悩みに特化したヘアマスクを選ぶことで、より効果的なケアができます。
**ヘアマスクの手順:**
1. **シャンプー後、軽く水気を切る:** シャンプー後、ヘアマスクの浸透を良くするために、髪の水分を軽く絞ります。
2. **ヘアマスクを髪全体にたっぷり塗布する:** ヘアマスクを手のひらに取り、髪全体に、特に傷みが気になる毛先を中心に、たっぷりと塗布します。
3. **蒸しタオルで髪を包み、10〜15分ほど置く:** ヘアマスクの効果を高めるために、蒸しタオルで髪を包み、10〜15分ほど置いて、成分をじっくりと浸透させます。蒸しタオルがない場合は、シャワーキャップやラップで代用できます。
4. **ぬるま湯で丁寧に洗い流す:** ヘアマスクが頭皮や髪に残らないように、ぬるま湯で丁寧に洗い流します。洗い残しがあると、ベタつきや重さの原因になるので、注意が必要です。
## 染髪後の髪を柔らかく保つための生活習慣
日々のヘアケアに加えて、生活習慣を見直すことも、染髪後の髪を柔らかく保つためには重要です。
* **バランスの取れた食事:** 健康な髪を育てるためには、バランスの取れた食事が不可欠です。タンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取することで、髪の成長を促進し、健康な状態を保つことができます。特に、髪の主成分であるタンパク質は、積極的に摂取するようにしましょう。
* **十分な睡眠:** 睡眠不足は、血行不良を招き、髪に必要な栄養が届きにくくなる原因となります。毎日十分な睡眠時間を確保し、心身ともにリラックスすることが大切です。
* **ストレスを溜め込まない:** ストレスは、ホルモンバランスを崩し、髪の成長を妨げる原因となります。適度な運動や趣味など、自分なりのストレス解消法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
* **紫外線対策:** 紫外線は、髪の乾燥やダメージの原因となります。外出時は、帽子や日傘を使用したり、UVカット効果のあるヘアケア製品を使用したりするなど、紫外線対策を徹底しましょう。
## 美容師が教える!髪質別おすすめケア
同じように染髪しても、髪質によって最適なケア方法は異なります。ここでは、髪質別におすすめのケアをご紹介します。
**1. 細くて柔らかい髪:**
* **特徴:** ペタンとしやすく、ボリュームが出にくい。乾燥しやすく、ダメージを受けやすい。
* **おすすめケア:**
* アミノ酸系のノンシリコンシャンプーで、優しく洗い上げる。
* 軽い仕上がりのミルクタイプのトリートメントを使用する。
* ドライヤーで根元を立ち上げるように乾かし、ボリュームを出す。
* スタイリング剤は、軽い質感のものを選び、つけすぎに注意する。
**2. 太くて硬い髪:**
* **特徴:** まとまりにくく、ゴワつきやすい。乾燥しやすく、パサつきやすい。
* **おすすめケア:**
* 保湿力の高いシャンプーで、しっかりと洗い上げる。
* オイルタイプのトリートメントを使用し、潤いを補給する。
* ドライヤーでしっかりと乾かし、クセを伸ばす。
* ヘアオイルやヘアクリームで、まとまりを良くする。
**3. ダメージヘア:**
* **特徴:** パサつき、枝毛、切れ毛が多い。カラーやパーマによるダメージを受けている。
* **おすすめケア:**
* ダメージ補修成分配合のシャンプーとトリートメントを使用する。
* 週に一度、ヘアマスクで集中トリートメントを行う。
* ドライヤーの前に、ヒートプロテクト効果のあるアウトバストリートメントを使用する。
* ヘアアイロンやコテの使用はできるだけ避け、どうしても使用する場合は、低温で使用する。
**4. くせ毛:**
* **特徴:** うねりや広がりやすい。湿気によって、さらにクセが出やすい。
* **おすすめケア:**
* くせ毛専用のシャンプーとトリートメントを使用する。
* ドライヤーで根元を立ち上げるように乾かし、クセを伸ばす。
* ヘアオイルやヘアミルクで、まとまりを良くする。
* 縮毛矯正やストレートパーマを検討する。
## まとめ:丁寧なケアで染めたての美しさを長持ちさせよう!
染髪後の髪は、デリケートな状態です。今回ご紹介したケア方法を実践することで、髪のダメージを最小限に抑え、柔らかく、美しい状態を保つことができます。毎日のシャンプーから、ドライヤーの使い方、スペシャルケアまで、丁寧なケアを心がけることで、染めたての美しい髪色を長く楽しむことができるでしょう。ぜひ、この記事を参考に、あなたにぴったりのヘアケアを見つけて、理想の髪を手に入れてくださいね!