パソコンを複数台持っている場合、ファイル共有や画面共有など、パソコン同士を接続する必要が出てくることがあります。しかし、接続方法が分からず困っている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、パソコン同士を接続する様々な方法を、初心者でも分かりやすく解説します。ファイル共有、画面共有、インターネット共有といった基本的な接続方法から、より高度な接続方法まで、ステップバイステップで詳しく説明します。また、接続時の注意点やトラブルシューティングについても触れるので、安心して接続作業を進めることができます。
1. パソコン同士を接続する前に
パソコン同士を接続する前に、いくつか確認しておくべきことがあります。これらを事前に確認しておくことで、スムーズに接続作業を進めることができます。
1.1 接続の目的を明確にする
まず、何のためにパソコン同士を接続したいのかを明確にしましょう。目的によって最適な接続方法が異なるためです。
- ファイル共有: 異なるパソコン間でファイルを共有したい
- 画面共有: 一方のパソコンの画面をもう一方のパソコンに表示したい
- インターネット共有: 一方のパソコンのインターネット接続をもう一方のパソコンで利用したい
- 周辺機器の共有: プリンターや外付けHDDなどの周辺機器を共有したい
- ゲーム: ローカルネットワークでゲームをプレイしたい
1.2 必要なものを準備する
接続方法に応じて、必要なものを準備しましょう。
- LANケーブル: 有線LANで接続する場合
- 無線LANルーター: 無線LANで接続する場合
- USBケーブル: USB接続する場合
- HDMIケーブル: 画面共有する場合
1.3 セキュリティ対策を確認する
パソコン同士を接続する際は、セキュリティ対策も重要です。特に、ファイル共有を行う場合は、不正アクセスやウイルス感染のリスクが高まるため、以下の点に注意しましょう。
- ファイアウォールを有効にする
- ウイルス対策ソフトを最新の状態にする
- 共有フォルダにパスワードを設定する
2. パソコン同士を接続する基本的な方法
ここでは、パソコン同士を接続する基本的な方法として、有線LAN、無線LAN、USB接続の3つの方法を解説します。
2.1 有線LANで接続する
有線LANは、LANケーブルを使ってパソコン同士を直接接続する方法です。安定した高速通信が可能で、ファイル共有やゲームなど、大容量のデータを扱う場合に適しています。
2.1.1 必要なもの
- LANケーブル: カテゴリー5e以上のものを用意しましょう
- LANポート: 各パソコンにLANポートがあることを確認しましょう
2.1.2 接続手順
- 各パソコンの電源を切る
- LANケーブルを各パソコンのLANポートに接続する
- 各パソコンの電源を入れる
- IPアドレスを設定する
2.1.3 IPアドレスの設定
IPアドレスは、ネットワーク上の各パソコンを識別するための番号です。IPアドレスを正しく設定しないと、パソコン同士が通信できません。
IPアドレスの設定方法には、以下の2つの方法があります。
- DHCPによる自動設定: ルーターが自動的にIPアドレスを割り当てる
- 手動設定: 自分でIPアドレスを設定する
通常はDHCPによる自動設定で問題ありませんが、固定IPアドレスが必要な場合は手動設定を行います。
DHCPによる自動設定
- Windowsの場合:
- 「スタート」メニューから「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「イーサネット」を選択する
- 「IP設定」の「編集」をクリックする
- 「IP設定を自動的に取得する(DHCP)」を選択し、「保存」をクリックする
- macOSの場合:
- 「システム環境設定」を開く
- 「ネットワーク」を選択する
- 接続に使用しているネットワークインターフェース(通常は「Ethernet」)を選択する
- 「詳細」をクリックする
- 「TCP/IP」タブを選択する
- 「IPv4の設定」が「DHCPサーバを使用」になっていることを確認する
手動設定
手動でIPアドレスを設定する場合は、以下の情報を設定する必要があります。
- IPアドレス: ネットワーク内で重複しないIPアドレスを設定します。例:192.168.1.100
- サブネットマスク: 通常は「255.255.255.0」を設定します
- デフォルトゲートウェイ: ルーターのIPアドレスを設定します
- DNSサーバー: インターネットに接続するために必要なDNSサーバーのIPアドレスを設定します。例:8.8.8.8 (Google Public DNS)
- Windowsの場合:
- 「スタート」メニューから「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「イーサネット」を選択する
- 「IP設定」の「編集」をクリックする
- 「手動」を選択し、「IPv4」をオンにする
- 上記の情報を入力し、「保存」をクリックする
- macOSの場合:
- 「システム環境設定」を開く
- 「ネットワーク」を選択する
- 接続に使用しているネットワークインターフェース(通常は「Ethernet」)を選択する
- 「詳細」をクリックする
- 「TCP/IP」タブを選択する
- 「IPv4の設定」を「手動」に変更する
- 上記の情報を入力し、「OK」をクリックする
2.1.4 接続確認
IPアドレスの設定が完了したら、パソコン同士が正しく接続されているかを確認しましょう。
- Windowsの場合:
- コマンドプロンプトを開く
- 「ping [相手のパソコンのIPアドレス]」と入力してEnterキーを押す
- 相手のパソコンから応答があれば、接続は成功です
- macOSの場合:
- ターミナルを開く
- 「ping [相手のパソコンのIPアドレス]」と入力してEnterキーを押す
- 相手のパソコンから応答があれば、接続は成功です
例:ping 192.168.1.101
応答がない場合は、IPアドレスの設定が間違っているか、ファイアウォールが通信を遮断している可能性があります。
2.2 無線LANで接続する
無線LANは、無線LANルーターを介してパソコン同士を接続する方法です。LANケーブルが不要で、場所を選ばずに接続できるのがメリットです。
2.2.1 必要なもの
- 無線LANルーター: IEEE 802.11 a/b/g/n/ac/axなどの規格に対応しているもの
- 無線LANアダプター: 各パソコンに無線LANアダプターが内蔵されているか、外付けの無線LANアダプターを用意する
2.2.2 接続手順
- 無線LANルーターの電源を入れる
- 各パソコンの無線LANを有効にする
- 接続する無線LANルーターを選択し、パスワードを入力する
- IPアドレスを設定する
2.2.3 IPアドレスの設定
無線LANの場合も、IPアドレスの設定が必要です。通常はDHCPによる自動設定で問題ありません。
2.2.4 接続確認
IPアドレスの設定が完了したら、パソコン同士が正しく接続されているかを確認しましょう。有線LANと同様に、pingコマンドを使って確認できます。
2.3 USB接続で接続する
USB接続は、USBケーブルを使ってパソコン同士を直接接続する方法です。ファイル転送など、一時的な接続に適しています。ただし、USB接続は通常、ネットワーク接続を目的としていません。直接的なネットワーク接続のためには、専用のUSBネットワークアダプタやUSB-to-Ethernetアダプタが必要です。
2.3.1 必要なもの
- USBケーブル: USB 2.0またはUSB 3.0に対応しているもの
- USBネットワークアダプタまたはUSB-to-Ethernetアダプタ (ネットワーク接続の場合)
2.3.2 接続手順
- 各パソコンの電源を入れる
- USBケーブルを各パソコンのUSBポートに接続する
- (ネットワーク接続の場合)USBネットワークアダプタまたはUSB-to-Ethernetアダプタをインストールする
- IPアドレスを設定する
2.3.3 IPアドレスの設定
USBネットワークアダプタまたはUSB-to-Ethernetアダプタを使用してネットワーク接続をする場合、IPアドレスの設定が必要です。通常はDHCPによる自動設定で問題ありません。
2.3.4 接続確認
IPアドレスの設定が完了したら、パソコン同士が正しく接続されているかを確認しましょう。有線LANと同様に、pingコマンドを使って確認できます。
3. ファイルを共有する方法
パソコン同士を接続したら、次はファイルを共有する方法について解説します。ファイル共有には、共有フォルダを使う方法と、ネットワークドライブを使う方法があります。
3.1 共有フォルダを使う
共有フォルダは、ネットワーク上の他のパソコンからアクセスできるフォルダを作成する方法です。手軽にファイルを共有できます。
3.1.1 共有フォルダの作成
- 共有したいフォルダを右クリックし、「プロパティ」を選択する
- 「共有」タブを選択し、「共有」ボタンをクリックする
- 共有するユーザーを選択し、「追加」をクリックする
- 各ユーザーのアクセス許可レベル(読み取り/書き込み)を設定し、「共有」をクリックする
- 「完了」をクリックする
3.1.2 共有フォルダへのアクセス
- Windowsの場合:
- エクスプローラーを開き、「ネットワーク」を選択する
- 共有フォルダのあるパソコンを選択する
- 共有フォルダを選択する
- macOSの場合:
- Finderを開き、「移動」メニューから「サーバへ接続」を選択する
- 「smb://[相手のパソコンのIPアドレス]」と入力して「接続」をクリックする
- 共有フォルダを選択する
例:smb://192.168.1.100
3.2 ネットワークドライブを使う
ネットワークドライブは、共有フォルダをドライブとして割り当てる方法です。共有フォルダをエクスプローラーやFinderから直接アクセスできるようになり、便利です。
3.2.1 ネットワークドライブの割り当て
- Windowsの場合:
- エクスプローラーを開き、「PC」を右クリックし、「ネットワークドライブの割り当て」を選択する
- ドライブレターを選択する
- 「フォルダー」に共有フォルダのパスを入力するか、「参照」ボタンをクリックして共有フォルダを選択する
- 「完了」をクリックする
- macOSの場合:
- Finderを開き、「移動」メニューから「サーバへ接続」を選択する
- 「smb://[相手のパソコンのIPアドレス]」と入力して「接続」をクリックする
- 共有フォルダを選択し、「OK」をクリックする
4. 画面を共有する方法
パソコン同士で画面を共有する方法は、リモートデスクトップを使う方法と、画面共有ソフトを使う方法があります。
4.1 リモートデスクトップを使う
リモートデスクトップは、一方のパソコンを別のパソコンから操作する方法です。まるで自分のパソコンを操作しているかのように、自由に操作できます。Windowsに標準搭載されています。
4.1.1 リモートデスクトップの設定
- 操作される側のパソコン(ホスト)の設定:
- 「スタート」メニューから「設定」を開く
- 「システム」を選択する
- 「リモートデスクトップ」を選択する
- 「リモートデスクトップを有効にする」をオンにする
- ユーザーアカウントがパスワードで保護されていることを確認する
- 操作する側のパソコン(クライアント)の設定:
- 「スタート」メニューから「リモートデスクトップ接続」を検索して開く
- 「コンピューター」にホストのIPアドレスまたはコンピューター名を入力する
- 「接続」をクリックする
- ホストのユーザー名とパスワードを入力する
4.2 画面共有ソフトを使う
画面共有ソフトは、一方のパソコンの画面を別のパソコンに表示する方法です。リモートデスクトップと異なり、操作はできませんが、手軽に画面を共有できます。Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどが利用できます。
4.2.1 Zoomを使う
- Zoomを起動する
- ミーティングを開始するか、参加する
- 「画面の共有」ボタンをクリックする
- 共有する画面を選択し、「共有」をクリックする
4.2.2 Microsoft Teamsを使う
- Microsoft Teamsを起動する
- 会議を開始するか、参加する
- 「共有」ボタンをクリックする
- 共有する画面を選択する
4.2.3 Google Meetを使う
- Google Meetを開く
- 会議を開始するか、参加する
- 画面下の「今すぐ表示」をクリックする
- 共有する画面を選択する
5. インターネットを共有する方法
一方のパソコンのインターネット接続を、もう一方のパソコンで共有する方法は、インターネット接続の共有(ICS)を使う方法と、Wi-Fiルーター化を使う方法があります。
5.1 インターネット接続の共有(ICS)を使う
インターネット接続の共有(ICS)は、Windowsに標準搭載されている機能です。LANケーブルで接続されたパソコン同士で、インターネット接続を共有できます。
5.1.1 ICSの設定
- インターネットに接続されているパソコンの設定:
- 「スタート」メニューから「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」を選択する
- 「アダプターのオプションを変更する」をクリックする
- インターネットに接続しているネットワークアダプターを右クリックし、「プロパティ」を選択する
- 「共有」タブを選択する
- 「インターネット接続の共有を許可する」をオンにする
- 「ホームネットワーク接続」で、LANケーブルで接続されているネットワークアダプターを選択する
- インターネットに接続されていないパソコンの設定:
- IPアドレスを自動取得(DHCP)に設定する
5.2 Wi-Fiルーター化を使う
Wi-Fiルーター化は、パソコンをWi-Fiルーターとして機能させる方法です。スマートフォンやタブレットなど、複数のデバイスでインターネット接続を共有できます。
5.2.1 Wi-Fiルーター化の設定
Wi-Fiルーター化ソフトは、いくつか種類があります。ここでは、Connectify Hotspotを使った設定方法を説明します。
- Connectify Hotspotをダウンロードし、インストールする
- Connectify Hotspotを起動する
- 「インターネット接続」で、インターネットに接続しているネットワークアダプターを選択する
- 「ホットスポット名」と「パスワード」を設定する
- 「ホットスポットを開始」をクリックする
6. トラブルシューティング
パソコン同士の接続で問題が発生した場合は、以下の点を確認してみましょう。
- LANケーブルが正しく接続されているか
- 無線LANルーターの電源が入っているか
- IPアドレスの設定が正しいか
- ファイアウォールが通信を遮断していないか
- ネットワークアダプターが有効になっているか
- デバイスドライバーが最新の状態か
それでも問題が解決しない場合は、パソコンを再起動したり、ネットワークの設定をリセットしたりしてみてください。
7. まとめ
この記事では、パソコン同士を接続する様々な方法について解説しました。ファイル共有、画面共有、インターネット共有など、目的に合った接続方法を選択し、快適なパソコンライフを送りましょう。
この記事が、あなたのパソコンライフのお役に立てれば幸いです。